「冬に多い足のトラブル」冷えとむくみについて

福岡も本格的な冬が到来しました。「冬に多い足のトラブル」の一つに「足の冷え、むくみ」があります。今日は少し「冷え症」のお話をしようと思います。深く難しい話題ですので、さわりの部分だけ分かりやすくご紹介します。

当院には季節を問わずに、年間を通して下肢の冷感などの症状を訴える患者さんが多く来院されています。このような患者さんの訴える症状は多くは難治性であり、既存の治療だけでは対応しきれないことが多いのが現状です。その中には心臓の血管で例えるなら「心筋梗塞・狭心症」と言った動脈硬化や血栓で動脈が詰まってしまったり、狭くなって足の血流が悪くなってしまう「閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう)」、「急性動脈閉塞症(きゅうせいどうみゃくこうかしょう)」という重篤な疾患や前兆が潜んでいる可能性もあります。

まずは痛みもなく検査できる「血管年齢」を調べることができる「ABI検査」や「下肢血管エコー検査」がとても有用です。これらの検査は針を刺したり、造影剤を点滴したりなどの体に侵襲や痛みを与える検査ではありませんので、気軽に実施することができます。特に50歳を超えた方、喫煙習慣のある方、動脈硬化の既往がある方、糖尿病・高血圧・脂質異常症(高コレステロール血症など)、透析状態の患者さん、閉経された方だけでなく、下肢の違和感、冷え、しびれ、むくみなどの症状がある方にはぜひ、受けていただければと思います。

この検査で異常が認められれば、血管を詰まりにくくするような「抗血小板剤や血管拡張薬」が必要になったり、重度であれば血管カテーテル検査が必要になることもあります。幸い、これらの検査が正常であれば、自覚症状によっては、「漢方薬」、「西洋薬」、「外用薬」などを単独、もしくは併用した治療を開始していくこととなります。

フットケア外来を訪れる患者さんが訴える愁訴は多岐にわたり、自覚症状として下肢の冷感、しびれ感、痛み、違和感などを伴うことも多いです。当院では、冷えの効能効果を持ち、種々の疾患に伴う冷えやしびれなどに対する有用性が多数報告されている当帰四逆加呉茱萸生姜湯(38番)をはじめ多くの漢方薬による治療を行なっています。後日、予防についてや詳細なお話もできればと思います。

「足もとの健康」から「全身の健康」を守るためにも「六本松 足と心臓血管クリニック」がお役に立てるように真摯に診療していきたいと思っています。

九州朝日放送KBC 2018年11月29日放送の「アサデス 」に当クリニック(https://ashitoshinzo.com)を大きく取り上げて頂きました。