「フットケア外来の構築と実践」、新しい「令和」時代も「日々の診療」、「学術活動」、「啓発活動」を頑張っていきたいと思います。
クリニックブログでの報告が遅れましたが、WOC(創傷・オストミー・失禁)予防・治療・ケア WOC Nursing 2019.2月 Vol.7 No.2(医学出版)の企画編集を担当しました。
全国的にもまだまだ少ない「フットケア外来」、「足病外来」、の立ち上げ方や実践、運営、教育などなどについて企画担当させていただき、優秀な執筆陣に分担執筆していただきました。この雑誌は看護師さん向けの月刊誌なのですが、専門看護師さんでなくても役に立つ一冊だと自負します。
<特集にあたって>
高齢化社会の中、これからますます重要となる「フットケア外来」ですが、まだまだ医師に関心の薄い領域であります。それだけでなく、保険的にも整備されておらず手間の割に採算性に乏しく、フットケア外来」を立ち上げたいけれど、何から始めて良いか分からない、どう運用していけば良いのか行き詰まっている、という声を多く聞きます。
今回の特集ではフットケア・足病診療の領域で活躍されている先生方に執筆をお願いすることができました。特に外来の開設準備などについては、臨床現場や教育現場で奮闘している先生方に机上論ではない現場でのアイデア、ノウハウなども聞くことができるでしょう。その一方で、熱意だけではどうにもならず、システムの構築や地域医療としての「フットケア外来」、足の先進国であるドイツでの「フットケア事情」についても執筆をお願いしました。
また、この領域では多業種連携についても、大変重要なことです。装具・フットウェア関係業種との連携について、靴店から「フットケア外来」へのお願い、医療現場での実際の連携の工夫などの項目もきっと役に立つのでないでしょうか。
平成の最後の年にクリニックを開業し、少しずつですがクリニックも軌道に乗りつつあります。しかし、診療の手間暇の割りには(処置に時間を要するにも関わらず)、診療報酬が低いという点もあり、経営的には良好とは言えません。「フットケア・足病診療の後進国」である日本ですが、本書の内容や当クリニックでの診療の実際、運営などが、国内に広まることで、「日本国中の足が救われる」医療体制にしていければと考えています。また、現在の診療データベースに基づくエビデンスの構築、そして、関連学会あげての診療報酬(保険点数)の整備も急務だと考えます。
「大きなトラブルになる前に、足を見せる・相談できる・足を診る文化」が根づくように新しい「令和」時代も「日々の診療」、「学術活動」、「啓発活動」を頑張っていきたいと思います。