ウガンダ(東アフリカ)でのNGO活動を紹介します

今回は院長竹内の親戚である宮本夫婦のウガンダ共和国でのNGO活動をご紹介したいと思います。

ウガンダは、東アフリカに位置する共和制国家で、イギリス連邦加盟国です。叔母は単身で長くウガンダ共和国に在住、現在は新型コロナ感染症のことなどもあり、日本に帰国中です。叔父が定年してからは、叔父もウガンダに住むようになりました。

今回、活動の一環として建設中であった新しい「子供図書館」の完成について報告を受けました。叔母の方は、2012年に「こんなところに日本人」にも出演したことがありました。

世界的にはこのコロナ禍でいろんな価値観までも良くも悪くも一変したように感じます。政府に文句ばかり言う日本人もいますが、(もちろん、言いたい気持ちも分かりますし、自分も多々言う事もありますが・・・)叔父の報告を聞くと、やはり「日本ってなんて恵まれているんだろう」と思いますし、先代の日本人に感謝しかありません。

自分自身も自身のクリニックやNPO活動などの日々の活動に精一杯で「海外支援」までできる訳ではありませんが、このような活動を知っていただくことはできると思って活動紹介してみました。

この機会にお時間がある方に知っていただけたらと願います。

 

こんなところに日本人 アーカイブ:

https://datazoo.jp/tv/世界の村で発見!こんなところに日本人/553998

 

PRAfrica (Poverty Relief)のホームページはこちらです。 www.prafrica.jp

 

以下は、叔父から送られてきた「ウガンダ通信」の全文です。

 

 

ウガンダ通信(2)                         宮本宗一郎

――――新しい子ども図書館が完成しました―――

1、はじめに

私と妻(以下「私たち」という)は、毎年10か月ほどアフリカのウガンダにおいて、貧しい子どもたちに対して教育支援活動(ボランテイア)を行なっています。

 

昨年(2020年)3月早々に、確定申告や人間ドックなどのために帰国し、5月にウガンダに戻る予定でした。しかし、帰国した途端、世界中で新型コロナウイルスによるパンデミックが発生したため、現在まで日本に滞在せざるを得なくなりました。ここでは、最近の現地での活動の一端を紹介したいと思います。

 

2、ウガンダでの活動内容

活動の拠点は、首都カンパラから北に550㎞離れたKitgumという田舎町です。南スーダンの国境まで直線距離で20㎞。近くに南スーダンからの難民キャンプがあります。

 

私たちは、ウガンダでNGO(PRAfrica)を立ち上げ、Kitgumで子ども図書館の運営・図書館内の寺小屋教室(英語や算数などの基礎教育)の開催及び地元の公立小学校への就学支援を行なっております。

 

ウガンダでは、小学校教育は義務教育です。しかし、国などから学校に支給される予算では学校の運営に必要な費用を十分賄うことができません。そのため、学校は子どもの親(保護者)から、PTA会費や施設整備費などの名目で多額の校納金を徴収しています。

 

その上、制服や文房具、靴、カバン、体操着なども必要になり、貧しい家庭の子どもは学校に行きたくても行くことができません。

 

また、ウガンダ(Kitgum)では、母子家庭(低所得層)が多いことや世帯の子どもの数が多い(9人10人は普通)こと、さらに親が子どもを畑仕事や家事労働に使うことも小学校に行けない原因となっています。

そこで、私たちは、寺小屋教室で学ぶ子どもの中から向学心があり将来地域の立派なリーダーになると思われる子どもを選抜し、家庭訪問を行なって経済状況を確認した上で、通学に必要な費用を全て負担し、現在30人近い子どもを小学校に通学させています。

 

21世紀になっても世界には多くの子どもが学校に通学することができません。2014年に17歳でノーベル平和賞を受賞した、パキスタン出身のマララさんは、国連で行なわれた講演でこのことを強く訴えております。日本の方ももっと関心を持ってほしいと思います。

 

3、新しい子ども図書館の建設

私たちは、これまでKitgum県の建物を子ども図書館として使用していましたが、建後25年以上経過し、いつ雨漏りがあるか心配する状況でした。そのため、新しい図書館を建設することが夢でした。

 

 

そうした中、私たちはKitgum県と交渉し、県は、2016年に、在ウガンダ日本大使館が行なっているGGP(草の根無償人権支援プロジェクト事業)に、私たちの全面的な協力を前提に「新しい図書館の建設計画」を応募しました。書類審査・ヒアリング調査・現地調査等の厳しい審査を経て運よく合格し、2017年2月から図書館の建設工事が県の敷地を活用して始まりました。

 

雨水の利用やソーラーシステムの導入も計画しました。工期は同年10月までの8ヶ月間でした。この間、私たちは、Kitgum県と新しい建物が完成した場合に向けて無償使用貸借契約を結びました。

 

4、トラブル続きの建設工事

しかし、工事が始まると予期せぬ事態が次々と発生し、その対応に追われることになりました。特に困ったのは、ウガンダでは「工期を守る」ことを重視しないことでした。

工事が遅れるので「早く進めて欲しい」と促しても、施工業者は「我々は一生懸命やっている」と言うばかり。また、関係者に相談しても「あまり急がせると手抜き工事になるのではないか」との返事です。

 

さらに、県が作成した工事の仕様書に重大なミスがあり、また、施工業者が仕様や図面と違うドアを取り付けるなどのトラブルもあり、工事は、最終的に2年近く完成が遅れました。私たちは、図書館の運営を行ないながら工事に伴うトラブルの対応も迫られ、心身ともに疲れ果てました。

 

5、新しい子ども図書館が完成

<完成した図書館の外観・ウガンダと日本の国旗>

 

3年間の苦闘の末、やっと2019年10月に工事が終わり、その後検査を経て、昨年(2020)1月21日に開館式が行われました。当日は、在ウガンダ日本大使館の亀田和明大使やKitgum県の知事・教育長、工事関係者、地元の子どもの代表者など80名近い方々が参加しました。

多くの参加者から「立派な建物です。素晴らしい」と言われ、苦労が報われたと感じました。

 

さっそく、翌日から新しい図書館をオープン。特に日曜日にはたくさんの子どもが来館し、にぎわいました。私たちにとって一つのエポック(集大成)となりました。多くの方々の応援のお陰です。心から感謝しております。

 

私たちは、新しい拠点を中心に、今後ともウガンダの子どもたちの心の中に、教育支援を通した「平和と自立の種」を撒き続けたいと思っております。

 

<日本大使(真ん中)も参加した開館式・二列目右が私たち>

 

6、終わりに―――ワクチンを発展途上国にも早急に支給を-――

昨年(2020年)は、新型コロナウイルスの感染症がアフリカにも拡大し、支援している子どもたちや図書館の現地スタッフ(ウガンダ人)さらに新しい図書館の建物が無事かどうか気がかりです。

 

現地スタッフから2ヵ月に1回ほどメールが届き、「子どもたちはみんな生きている。図書館も無事だ」との連絡に安堵していますが、感染症による混乱が長引けばどうなるか心配です。

 

日本や欧米諸国などお金のある国では、新型コロナワクチンの入手に血眼ですが、WHOなどが中心になり、発展途上国など貧しい国々にもワクチンを支給する取り組みを早急に実行してほしいと思います。そして世界中で新型コロナウイルスの感染症が収束し、平穏

で平和な日常が戻ることを切に願っております。(終わり)

 

<2021年Ⅰ月記>

  • 私たちの活動の詳しい内容については、HP(prafrica.jp)をぜひご覧ください。

 

 

 

<新しい図書館で開かれた支援中の子どもと保護者とのミ‐ティング(2020年2月)>

 

 

スーダン(北東アフリカ)で主に認定NPO法人ロシナンテス(https://www.rocinantes.org)の活動をされている川原尚行先生ともご縁を繋げることができているので、アフリカでのNGO、NPO活動が拡がればと願います。ぜひ、ロシナンテスの活動もご覧くださいね。

 

「できる活動をできる事から、できる時に、できる仲間と、苦楽を共に活動していける、そして継続していける」これって難しいことではありますが、素晴らしいことだと思っていますし、尊敬します。私は、「NPO法人足もと健康サポートねっと」(https://ashimotokenko.comの活動を行なっています。

地域貢献、社会貢献として、大きなことはできなくても、小さなことを仲間と一緒にコツコツと続けたいなと思います。皆さんにとっても何らかのきっかけになればと願います。

このような活動にご興味がある方やご支援いただける方は、ぜひ、竹内までご連絡ください。よろしくお願いいたします。

 

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