日本糖尿病学会九州地方会シンポジウム発表のご報告

日本糖尿病学会九州地方会シンポジウム  https://jdsk2024.com/   にて発表の機会をいただきました。

 

秋は色々とイベント、学会などが目白押しです。診療も忙しいので、なかなかブログ更新ができません。申し訳ございません。

さて、10月末に第62回日本糖尿病学会九州地方会のフットケアがテーマのシンポジウムにお招きいただき、登壇させていただきました。

私は「足と心臓血管の専門クリニックにおける診療の実際」の内容でお話ししました。

 

学会抄録の内容を転記しておきます。

抄録:

2018年に福岡市内に足病と循環器の専門クリニックを開業してから6年目を迎えました。本学会員の皆さまには日頃から当院と良好な連携をとっていただきありがとうございます。紙面をお借りして感謝申し上げます。

 

当院では下肢血流障害のみならず、足白癬、爪病変、外反母趾、開張足、冷え性、下肢の痺れなど、下肢のほとんどの疾患に対応しています。また、うっ滞性皮膚炎、下肢静脈瘤などの静脈疾患、リンパ疾患も多く診ています。現在のところ、受診の約70%は足病変の患者です。足病変の約20%は糖尿病です。

 

その中でも巻き爪、陥入爪、外反母趾、糖尿病性足病変、下腿浮腫、下肢静脈瘤の受診が多いです。特に巻き爪、陥入爪治療に関しては積極的にワイヤーによる矯正治療を取り入れており、3TO/VHO法を年間にのべ1000趾ほど実施しています。

 

特に糖尿病、透析、下肢血流障害、高齢者、自己免疫性疾患などの足病変ハイリスク症例においては、爪病変は注意が必要であり、非侵襲的な爪病変治療の選択が必要です。今回の講演では当院の特長や足病診療の実際をお話させていただきます。

本シンポジウムが糖尿病患者の合併症である大切断を回避し、生活の質の向上に役立てばと願います。

 

新型コロナ感染が少し落ち着き、今回の学会のようにリアルで開催され、糖尿病の分野においても学会に招いていただけることは「顔が見える連携」にも繋がり、患者さんにもとても恩恵のあることです。

 

実際に発表の前後には知らないドクターや看護師さんから質問をいただけたり、お声をかけていただきました。また、勉強熱心な看護師さんはクリニックの見学を希望され、今週、当院の見学に来られました。

 

当院は糖尿病患者さんに限らず、足や心臓血管系(循環器領域)にトラブルや不安のある患者さんは、重症軽傷問わず、どなたでも診療させていただいています。

 

糖尿病の患者さんは血糖値の良い悪いに関わらず、糖尿病のない患者さんに比べて足のトラブルが出やすいことは医学的にもすでに知られていることです。しかしながら、糖尿病の治療は受けているにも関わらず、足まで診てもらえていることはまだまだ少ないのが現状です。

 

糖尿病クリニックでは、栄養指導、生活指導全般、場合によってはインスリン指導、検査などなどで精一杯であり、よほど、患者さんが足のトラブルを訴えられない限り、診察時間もかかることから、診てもらえていないのは仕方がないことだと思います。

 

糖尿病治療は専門クリニックや内科クリニックにかかっているが、足のトラブルは当院にお任せいただき、通院されている患者さんも多くおられます。また、竹内は循環器専門医のみならず、内科認定医も保持しており、インスリンを使わない程度で経口血糖降下剤の組み合わせで治療可能な2型糖尿病の患者さんは当院でも多く診ています。

 

いずれにせよ、足や循環器系に不安のある患者さんはぜひご相談ください。かかりつけ医の先生に相談され、紹介状の持参があれば望ましいですが、持参がなくても大丈夫です。まずはご相談と診察をお受けくださいね。

 

これからますます高齢化社会となり、糖尿病専門医や在宅診療医との連携が重要になると考えています。当院には頼りになる糖尿病療養指導士の看護師も2名在籍しています。

医療関係者からのご相談も受け付けていますので、ご連絡ください。

 

 

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