足を守ることは健康を守ること:そのためには仲間集めも重要です。 仲間集めはすなわち顔の見える地域連携なんです!!

2019.2/9-2/10で第17回日本フットケア学会が開催されました。私、竹内も評議員を務めている学会です。 会長企画1 「フットケアをバズらせろ!皆で考える仲間集め作戦by “教えて、足病先生”」に登壇いたしました。「足病先生」https://ashibyo.comというホームページでは、足のお悩みをみんなで解決していますが、そこでは「教頭先生」を務めています。

今回の日本フットケア学会でも昨年に引き続き、足病先生企画セッションとして多くのご参加をいただくことができました、どうもありがとうございました。百人会議を用いて、会場全体で大変活発な議論を行うことができました。足の専門病院である下北沢病院の菊池守院長、循環器内科医であるバイタリー代表 竹田陽介先生座長のもと、たくさんの参加者の方々から有意義な情報共有、仲間づくりの場となったとお声を聞けて大変嬉しく思います。これからも足病先生プロジェクトではフットケア・足病の仲間づくりと啓発に取り組んでまいります。

さて、以前から「仲間作りは顔の見える地域連携」と思い啓発活動、地域連携にも力を入れており、論文、コラムなどの執筆も行って来ました。コラムをご紹介します。私が監修させていただいた「糖尿病ケア」2014年3月の特集号 フットケアビジュアルガイドのコラムをご紹介いたします。「糖尿病ケア」は医療関係者向けの雑誌で人気のある雑誌の一つです。

 

<フットケアと仲間作り>

本号の発刊にあたり、多くの仲間にご協力いただきました。普段から頼れる仲間が多くいるため、何の不安もなくプランナーとして執筆を依頼することができたことは、大変喜ばしくもあり自慢出来ることかと思います。

読者の方々は糖尿病患者さんに足のトラブルが多いことはご存じのことでしょう。「足の世界」は他の診療科領域よりも多くの診療科や多くの職種が集まり、知恵を寄せ合い治療やケアを行っていく必要がある領域のひとつです。病状によっては小さいチームから大きいチームとなって取り組んでいかねばならないことも生じます。その時のためにも、また、自分のためにも職種、年齢、性別、立場、院内院外を問わず、住んでいるところに関係なく、多くの仲間を作っていただきたいと思います。間違えてはいけないことは、ただ仲間の人数を増やせばいいという訳ではありません。共感できる仲間、考え方は違っても同じ方向性持った仲間、熱い心?ディープなこだわりをもった「足ふぇち」「足おたく」な心の友を増やすことがさらに重要でしょう。

 

勇気を持って、研究会でひとつだけ質問してみる、お隣の座席の方に話しかけてみる、一人でも研究会やセミナーに参加してみる。そういった行動がきっと次につながるはずです。そして知り合った仲間と同じ想いを共有できれば、楽しいことは一緒に笑えて、辛いこと嫌なことも半減、いやそれ以上に軽減できるかもしれません。何でも自分だけで解決する必要はありません。透析室や在宅などの社会的閉鎖空間となりやすい部署の中で一人ぼっちで「もんもん」「もやもや」となることなく、いろんな仲間に助けてもらえば、解決することも多いですし、乗り越えられない壁はないのではないかと思います。仲間は宝物です。仲間と楽しく仕事して、問題を解決していければ、みんながHappyになれると思います。これらの経験は治療連携の際にも自然と役立ちますし、きっと患者さんにも自分にも還元されるはずです。

最近ではFacebookなどのSNSも有用であり、遠方の仲間であっても繫がることができます。是非、皆さんもフットケアの素敵な輪を拡げて、多くの足トラブルを抱えた足難民を仲間と一緒に救って欲しいと願います。

(引用) 竹内一馬 フットケアと仲間づくり

糖尿病ケア:2014年 第11巻3号 P61 メディカ出版(一部改変)

 

このコラム執筆から5年が経過しましたが、今回の学会でも「フットケア」、「足病診療」の重要性が少しずつ拡がっているのが実感でき、いろいろな職種で熱心に取り組んでくださる人材も出て来ていることを大変嬉しく思いました。

 

欧米では当たり前となっている「足病医」という制度や教育が日本にはない、診療点数が低いこともあり病院・クリニック経営が成り立たないから診る医療機関が増えない、などなど、まだまだ問題点も多いですが、何とか行政も巻き込みながら「元気で生涯歩き続けられる社会」を目指して尽力したいと思います。