「クリニックでのむくみ診察のコツ」:むくみの原因は実は複雑なのです。
9月7日に開催されました「第1回日本フットケア・足病医学会 富士山セミナー」にて院長の竹内がシンポジウム「私のむくみケア」にて「クリニックでのむくみ診察のコツ」
を発表いたしました。竹内は以前、静岡市立病院 心臓血管外科に1年間ほど勤務していたこともあり、開催場所は静岡県沼津市でしたが、懐かしの静岡出張でした。あいにく、台風15号の影響もあり、戻りの航空便を早めて帰福せざるをえず、あいにく観光することができませんでした・・・泣
むくみの原因はなんですか?
むくみの原因は実に多岐にわたります。運動不足、甲状腺やリンパの病気でもむくむことが多いです。栄養不良や塩分の摂取し過ぎ、扁平足や外反母趾、糖尿病が原因でも起こります。むくみは局所の病気ではなく、全身疾患が潜んでいる場合もあります。決して「歳のせい」だけではありませんので注意が必要です。「足と心臓・血管」をしっかり調べてみましょう。
前回のブログでも述べましたが、むくみの原因は実に多岐にわたります。まず悪くなる(重篤化する)前に早期に発見しておきたいのは心臓が原因(心原性)、腎臓が原因(腎性)のむくみです。片足だけのむくみ(片側性)ではなく、両足ともむくむ(両側性の)場合に疑います。腎臓が原因の場合は血液検査にて腎機能の指標であるクレアチニン、尿素窒素(BUN)の項目を尿検査にてタンパクが混ざっていないか(尿蛋白)、血液が混じっていないか(潜血)を測定します。血糖値が高く糖尿病が疑わしい時には糖尿病性浮腫の可能性があります。貧血、栄養状態が悪い場合(低栄養)、肝機能障害でもむくみを認めるため、一般的な血液検査、甲状腺機能(ホルモンの測定)などを調べる必要があります。
むくみは多くの患者さん、特に高齢者や女性に多く見られる病状です。軽症なこともありますが、実際は重篤な病気の「危険信号」として「むくんでいる」ことも多く、軽視してはいけない病状ですが、診断は容易ではないことも多いです。このようなこともあり、一般内科や整形外科、皮膚科だけでは診断されないことも多いのではないかと思います。ぜひ、気になる方は当院での専門的な検査をお勧めいたします。
「年齢のせいにして診てもらえない医師」、「何も検査せずに利尿剤だけを処方する医師」、「着用指導無しに弾性(圧迫)ストッキングを買いなさいとだけ指示する医師」などは注意が必要だと思います。ですが、ストッキングに関しては勧めてくれるだけで「良い先生」だとも言えます。利尿剤は病状によっては必要であり重要なお薬ですが、「何も検査せずに利尿剤だけを処方する医師」は自己防衛のためにも注意が必要です。特に利尿剤は高齢者が安易に服用すると「腎機能悪化」、「脱水症」の原因にもなりますので、気を付けていただきたいと思います。
静脈疾患の治療でご高名な孟 真 先生の座長で他の演者の先生のご発表も勉強になり、大変意義のあるシンポジウムとなりました。
「私のむくみケア」
オーガナイザー 孟 真 (横浜南共済病院循環器センター 心臓血管外科)
そのむくみはどこから来ているの?
演者 孟 真 (横浜南共済病院循環器センター 心臓血管外科)
クリニックでのむくみ診察のコツ
竹内 一馬 (医療法人たけうち 六本松 足と心臓血管クリニック)
浮腫の管理と医療連携について
池端 典子 (東京医療専門学校 臨床研修部 ベテル南新宿診療所)
私のむくみケア 形成外科の立場から
綾部 忍 (八尾徳州会総合病院 形成外科・創傷ケアセンター)
上記の症状でお困りの方は、是非、「六本松 足と心臓血管クリニック」にお気軽にご相談ください。