減塩のすすめと血圧手帳の重要性について 家庭血圧を測定しましょう
今日から12月ですね。猛暑が終わったかと思えば、過ごしやすい秋はあっという間で寒い冬がやってきました。報道による影響からか世間は「新型コロナに注意!! また増えた! これは記録です」とかばかりですよね。
新型コロナ感染症に関わらず、インフルエンザやノロウイルスにも注意が必要ですので、「手洗い・うがい」などの感染症対策は引き続き、ご注意して欲しいと思います。
それだけではなく、この時期は「血圧」も上がってきやすくなりますので「高血圧」にも注意が必要です。
血圧とは血液が心臓から全身に送られるときに血管にかかる圧力のことを言います。血圧が正常範囲を超えて高く維持されている状態が高血圧です。年齢や持病の有無によって治療の目標値は変わります。
高血圧は日本人にはとても多い病気で、40~74歳の人のうち男性は約6割、女性は約4割が高血圧と言われています。
2019年には国内の高血圧のガイドラインが表のように変更になりました。75歳未満の成人では、診察室の血圧は130/80(mmHg)未満(家庭血圧では125/75 mmHg未満)、75歳以上の高齢者では、診察室の血圧は140/90(mmHg)未満(家庭血圧では135/85 mmHg未満)が降圧目標になっています。
厳密には、日本高血圧学会の降圧目標値のように合併疾患の有無によっても降圧目標は異なっています。
最近では効果の優れた降圧剤(血圧を下げる薬)も多く出ていますし、血液をサラサラにする効果や利尿作用、コレステロールを下げる薬と合剤(1錠になっている)になっている薬も処方可能になっています。
しかしながら、まずは薬ありきではなく、医師の指導に基づいた生活習慣の改善が最重要なのは言うまでもありません。
生活習慣改善のポイントは下記のように簡単に6点あります。まず今回は「減塩」についてお話ししたいと思います。
(1)減塩
(2)健康的なバランスの良い食事
(3)適正体重の維持
(4)適度な運動
(5)節酒
(6)禁煙 です。
<減塩のすすめ>
高血圧で注意すべきポイントとして最初に思い浮かぶのは減塩、という方も多いかと思います。日本人の食塩摂取量は1日平均約13gですが、これを6gまで減らすことが目標となります。まずはお塩やお醤油、お味噌を普段より少し減らすことから始めてみてはいかがでしょうか。
2014年に厚生労働省から発表された「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」によると、1日の塩分摂取量が男性8.0g未満、女性7.0未満という目標が設定されています。また日本高血圧学会からは、高血圧の場合は塩分摂取量1日6g未満が推奨されています。
塩分を減らすためのポイントを挙げてみたいと思います。
・減塩のお醤油やお味噌を使用する
・調味料は少なめにする
・お酢やレモン汁などを加えて酸味を効かせる
- 薄味に慣れて、素材の味を楽しむ
- お醤油容器を買い換える(ワンプッシュなどのタイプにしてみる)
- スナック菓子や酒のつまみのナッツや乾物の摂取を減らす
などの方法があります。少しずつ減塩をして薄味になれるようにしていきましょう。薄味に慣れると素材の味を楽しめますよ。ぜひ、少しずつ、ご家族で取り組んでみて下さい。
お鍋の美味しい季節がやってきましたが、九州のお馴染みの「柚子胡椒」や「ポン酢醤油」の使い方は、ご自身の血圧の状態を気にしながら、少し工夫してみて下さいね。
当院は「足(脚)のむくみ(浮腫)」の受診も多いですが、そのような患者さんにも「減塩」は効果があり、重要な治療の一つです。心当たりのある患者さんは、これを機に見直してみては如何でしょうか? 今回はこの辺で。
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