「新型コロナ感染症の後遺症について」 〜足の痛みやむくみ、腫脹は血栓が原因???〜

福岡県内の新型コロナ検査陽性者数(症状に苦しんでいる数ではない)は現時点で236名(福岡市では94名)(2021.1.22現在)とのことですが、全国的にもまだまだ収束の目処は立ちません。

福岡県内も緊急事態宣言中であり、まだまだ各自が「感染対策」に注意を払う必要があります。大雪は過ぎましたが、毎日の気温差も激しく、上着の着脱などで体温調節をしっかりして体調管理に努めていただきたいと思います。

 

当院は「足と心臓血管」の専門クリニックであり、高血圧、糖尿病、脂質異常症などを代表とする生活習慣病、心臓弁膜症、虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)、足の動脈硬化である閉塞性動脈硬化症(最近は末梢動脈疾患とも言います)、下肢静脈瘤、巻き爪・陥入爪などの爪疾患、外反母趾・扁平足・甲高(開帳足)・リウマチの足趾変形・変形性膝関節症などの足・脚の変形性疾患、糖尿病性潰瘍・糖尿病性壊疽・蜂窩織炎(蜂巣炎)などの足の感染性疾患、冷え性・しもやけ、などの患者さんを多く診ています。

 

テレビや新聞では、相変わらず新型コロナ感染症の話題も多い中、自粛が長くなってきたことから、直接の「新型コロナ感染症」以外の問題が生じてきていることについては、過去のブルグ記事などにも述べています。

 

「コロナ後廃用症候群」(下肢筋力低下を始め、認知症・老年性うつの出現、子供の異常行動、障害者の精神的不安定化など)、生活習慣病の増悪などの「健康二次被害」がとても心配な事です。この辺は過去のブログでも記載していますので、過去ブログをご参照ください。

 

こんな時こそウォーキングで体力・免疫力を維持して欲しい。コロナ騒ぎで高齢者は寝たきりに?? 「正しく恐れて、本末転倒にならないようなコロナ対策:福岡市在住の高齢者対象」(2020.3.18クリニックのブログ)

https://ashitoshinzo.com/2020-3-18-1/

 

新型コロナウイルス騒動以外での怖いこと(2020.4.18クリニックのブログ)

https://ashitoshinzo.com/2020-4-19-1/

 

今回は、新型コロナ感染症の後遺症を自身の症例などから考察したいと思います。感染症や新型コロナの専門家ではありませんので、難しいお話などまではお話しできませんのでご了承ください。

 

新型コロナ感染症の特徴として、「内皮細胞障害による易血栓性」、「血栓性炎症」が挙げられています。一般の読者の方には難しいかと思います。要するに「感染したことによって体内のあらゆる血管が詰まり易くなる」と言うことです。

これは過去のブログでも述べましたし、ネット情報や医学記事などからも検索して頂けば、勉強できることが多く出ています。

 

「新型コロナ関連報告」〜足のしもやけ様の症状についての考察〜

https://ashitoshinzo.com/2020-5-3-1/

 

新型コロナ感染症の治療のために入院していた時に足が痛くなったが診てもらえなかった発症リスクのない若い患者さん、血栓症になって新たに血栓を溶かす内服薬が開始になったので、当院で継続して欲しいという患者さん、味覚障害が残ってしまい、水もお茶もまずくて飲むのが辛い70歳台の患者さん・・・

など何とか人工呼吸器などを装着することなく退院しても後遺症に困っている患者さんもおられます。

当院は「発熱外来」などは実施していません。しかしながら、「足と心臓血管の専門クリニック」として「足や心臓血管に関連した血栓症」の診断、治療は得意としています。

テレビ報道でもありますように、新型コロナ感染症に罹患したからといって、何から何まで人間ドックのように診てもらえる訳ではありません。

 

新型コロナ感染症治療中や治療後に足の痛みやむくみ、腫脹が続く場合は、静脈や動脈に血栓が詰まったことが原因の可能性もあります。

糖尿病、高血圧、脂質異常症(コレステロールや中性脂肪が高い方)、喫煙者、不整脈、高齢者、そして肥満患者さん、運動習慣の無い患者さん、ピルを服用している患者さん、などは「血栓症」のリスクが高いと言われています。

 

これらの血栓症の診断には、超音波(エコー)検査が有用です。超音波(エコー)検査は放射線被曝もなく体には無侵襲で、血管の状態評価にとても有用なのです。

 

写真は静脈内に詰まった血栓像の写真です。

 

さらには、血液検査で炎症反応(白血球や炎症性タンパクCRP)などの測定に加えて、「D-ダイマー」と言う血栓ができると上昇しやすいと言われているマーカーを測定して、総合的に判断します。

 

状態によっては血栓を溶かす抗凝固薬や血小板の働きを弱め、血栓を出来にくくさせる抗血小板剤の服用が必要になることもありますし、入院治療が必要になることもあります。

 

後遺症に患者さんやご家族、ご友人が苦しむことがないように、当院に出来る事はお引き受けして検査、診察、治療を行なっています。ご心配な方は当院にご相談ください。

 

当院は「予約優先診療」を行っています。また、大病院ではなく小さいクリニックですので、待合室も小さい限られたスペースしかありません。

よって、熱発している患者さん、感冒様症状がある患者さんなどの「予約外」、「飛び込み受診」には対応し兼ねますので、ご了承願います。くれぐれも「お問い合わせ(診療時間内に限る)」の上、「ご予約」いただいての受診をお願いいたします。

 

できる診療をできるクリニックができる限り対応することで「安心できる暮らしを取り戻せる」ようにスタッフと共に頑張っています。

 

最近は自身のfecebookなどでも良く「手洗い・換気・体調管理・思いやり は欠かさずに」と言っています。

「手洗い・換気・体調管理・思いやり は欠かさずに」毎日を過ごして、この国難を乗り切りましょう。「思いやり」これが欠けやすい世の中だと思う今日この頃です。

 

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