第2回日本フットケア・足病医学会九州・沖縄地方会のご報告

第2回日本フットケア・足病医学会 九州・沖縄地方会(http://2ndjfcpm-kyusyu.com)は無事に終了いたしました。 本学会では本学会の大会長である原三信病院 循環器科部長 山本光孝先生のもと学会運営委員を務めさせていただきました。また「在宅医療におけるフットケア 〜介護の視点からできることを考える〜」、「透析患者のフットケア」のセッションの座長も務めさせていただきました。

 

今回は日本下肢救済足病学会地方会から数えると第9回になります。6年前に第3回(http://3rd-jlspm.ace-cms.jp/page0102.html)に大会長をさせていただいた時には、地方会にもかかわらず、北海道、関東などからも演題があり、いろんな地区からご参加いただいたこと、晴れ男にも関わらず、台風の影響で新幹線がストップして沖縄・鹿児島からは参加していただけず、座長や演題順などを変更してあたふたしていたことを今日のように思い出します。

今回は新型コロナ感染拡大の影響もあり、他の学会・イベントなどと同様にweb(オンライン)での開催となってしまいました。しかしながら、Web開催の良さを生かした大会となり、大変多くの方にご参加いただくことができました。より多くの方に「足病診療・フットケアの重要性」を知っていただき、予防・啓発につながる機会になりました。ご参加いただきました皆様、どうもありがとうございました。

この大会が成功したもの、本学会の大会長である原三信病院 循環器科部長 山本光孝先生のご尽力だと思います。どうもお疲れ様でした。

 

「透析患者のフットケア」のセッションでは2名の先生にご講演していただきました。透析患者さんは糖尿病の合併症から腎不全に至り透析導入となってしまう割合が高いです。動脈硬化が強く、末梢神経障害が進行していることなどからも「足病変ハイリスク(足病変を起こしやすい状態)」として知られています。

 

当院でも近隣・遠方の透析施設から通院されている患者さんも多いです。健康な方に比べて生涯において下肢(下腿部や足趾)の切断率が高率であり、切断を回避するためには「厳重な管理(定期チェック)」を必要とします。

そのような管理、注意点などを実際の事例を交えてわかりやすくご講演していただきました。

「在宅医療におけるフットケア 〜介護の視点からできることを考える〜」のセッションでは30分と限られた時間ではありましたが、「70歳代女性、もともとおしゃれが大好きで、友達とも良く出かけていたが、自宅で転倒、自信を無くし、リハビリも消極的となってしまった。むくみがひどくなり、炎症はないが巻き爪もある」症例について検討しました。

 

義肢装具士、フットケアセラピスト、看護師、介護士、医師と多職種間で介護の視点からできることを考えディスカッションすることができ、有意義な場となりました。ご協力いただきました多数の関係者に御礼申し上げます。

 

このような議論、連携を明日からの臨床の場であり診療に生かして、患者さんに還元するとともに、各地区の「足病診療」にお役立ていただきたいと願います。

 

来年は久留米での開催を予定していますが、オンラインが主流となるのか、集会しての学会となるのか、まだまだ見通せない状況です。しかしながら、このような議論のできる発表の場を生かして、微力ではありますが、引き続き、臨床、教育、啓発に尽力していきたいと思います。